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宇宙理学研究センター

センターの先進性

探査機「はやぶさ」の予想を超える成功や、ノーベル物理学賞を受賞した宇宙の加速膨張の発見に代表されるように、宇宙研究は近年目覚ましい発展を遂げている。従来の宇宙科学に留まらず、素粒子物理や物理化学といった周辺分野を巻き込んで急速に拡大しているため、さまざまな関連分野間での研究交流や密接な連携が不可欠な状況となってきている。そうした中で、本研究センターは宇宙に関連した研究を進めているグループを多く有することで専攻を超えた連携を深め、その研究能力を大きく伸ばすことができる強いポテンシャルを持っており、規模の点でも研究実績の点でも全国で有数の宇宙理学の研究拠点である。

現在は、ニュートリノ質量に関する研究をさらに発展させるために、原子炉や加速器を用いたニュートリノ振動実験(Double Chooz, T2K)やニュートリノを伴わない二重β崩壊事象の探索実験(DCBA)などを遂行するとともに、太陽風多価イオンからの禁制X線の観測や星間分子イオンの冷却過程の研究など、多くの成果を生み出している。本年2月に打ち上げられた科学衛星「ひとみ」では、JAXAを中心に7カ国から60以上の大学や研究機関が参加する大きなプロジェクトの中で、特に世界で初めて観測に使われる日米共同による極低温X線検出器の開発を共同担当し、データ処理装置や性能確認の部分でJAXAやNASAと共に中心的な存在として大きな責任を果たした。極低温検出器によって銀河団ガスの運動や巨大ブラックホールからの高速ガス流出などをはじめて観測することができ、宇宙の構造や進化の解明に大きな期待が寄せられている。本センターを中心に、多くの研究者を海外から集めた国際会議やセミナー、一般向けの公開講演会等を開催していく。