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島嶼火山・都市災害研究センター

青木かおり

海から伊豆諸島の火山噴火史を読み解く

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特任研究員 青木かおり
東京都立大学都市環境学部
地理環境コース
博士(地球環境科学)

2017年11月より、本学の都市環境学科地理環境コースに着任しました。

これまでの研究では、主に化学分析によって火山灰に含まれる火山ガラスの化学的特性を明らかにして、深海域の堆積物中に介在する火山灰の同定、対比を行い、第四紀の高精度な火山灰編年の構築と、それを使った古環境研究の時間軸としての利用を目指してきました。日本列島の周辺の深海底の堆積物を採取すると、非常に多くの火山灰が介在していることに驚かされます。三陸沖、鹿島沖の前弧海盆や北西太平洋海盆の堆積物の研究では、九州から北海道までの広域火山灰が飛来して堆積しており、それらの編年が可能であることを示しました。近年では研究対象とする海域を北太平洋からベーリング海にまで拡大して、東アジアから北米にまたがる環太平洋周辺海域の火山灰編年の構築を目標に研究に取り組んでいます。

火山灰が何時、何処の火山から、どのような噴火でもたらされたのかといった事象は、火山噴火の歴史を解明するための重要な記録であるといえます。特に、陸上では風化によって判然としなくなった火山灰であっても、深海の堆積物では長期間にわたって新鮮な状態で保存されることから、伊豆諸島のような島嶼部の火山活動の規模や頻度を詳細に解明するためには、海域の研究は重要な情報となります。当センターに所属しているメンバーと連携して、陸と海を結ぶ伊豆諸島の詳細な火山活動史の編年に取り組みたいと思います。